オリンパスへの失望
世界的内視鏡メーカーであるオリンパス社の粉飾決算が暴かれて、残念ながら騒動がますます大きくなっています。
事の発端は、4月に就任した英国人社長の糾弾と、その社長を10月に取締役会が解任したことに始まりました。英国人元社長は2008年英国医療機器メーカーを法外な価格で買収し、その仲介者(日本人経営)に相場の20倍以上という報酬(687億円)を払った取引や、日本国内の零細企業3社を2006年から2008年にかけて高額で買収し、すぐさま2009年に投資株式評価損(557億円)を計上するという明らかに不審な決算を告発したことに始まりました。この話を聞いたとき、上場企業としてあり得ない出来事だと目を丸くしたこと、と闇勢力に取り込まれたのか、と思いました。
どうやら、1990年代からの株式投資の損失を隠蔽処理するために大掛かりに仕組まれた会計処理だったようで、今後全貌が明らかにされていくと思いますが、いずれにせよ日本企業の恥部ともいえる大きな事件になると思います。
オリンパスは胃内視鏡世界シェア70%といわれるトップメーカーで我が国医学界に果たした貢献は計り知れないものがあります。この9月にはテレビ朝日で吉村 昭 原作「光る壁画」(胃内視鏡を開発実用化したオリンパス技術者の実話ドラマ化)が放送されたばかりでした。
粉飾による証券取引法違反で企業ならびに株式市場への信用失墜の痛手は大きく、この会社の上場廃止を議論されるのは避けがたいと思いますが、それよりもなによりも、日本が世界に誇る内視鏡の製造技術を海外メーカーによる買収で日本から持ちだされたり、開発力を失われることはなんとしても回避してほしいものです。私自身、オリンパスの内視鏡(おそらく)で胃がんを発見してもらい、大腸検査等で計り知れない恩恵を受けているので、返す返すも残念至極であります。然しながら、最近の日本企業はエリエールといい、オリンパスといい、度外れたモラルの喪失に国民は失望と怒りを覚えています。
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