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2013年4月25日 (木)

坂東三十三観音巡礼

阪急交通社が募集刊行している日帰バスツアー「坂東三十三観音巡礼」(第1回)に参加しました。霊場巡礼のバスツアーは、阪急交通社、クラブツーリズム、JTBなどさまざまな旅行会社が販売していてすでにお馴染みで、各社内容のよく似たツアーですが、この阪急交通社の板東シリーズは1~2ヶ月に1回、全部で10回あり、第1回~第10回に参加すると坂東三十三観音の巡礼が結願(けちがん、巡礼がつつがなく終わること)できることになります。本日参加したのは、第1回で

  発願寺の 鎌倉 杉本寺 から始めて 第6番平塚 長谷寺(ちょうこくじ)、第7番光明寺

  そして第5番勝福寺(巡礼はどの順番でもよい) を巡り、最後に小田原 鈴廣で

  各自お土産を買い求めた後、出発地であるJR横浜駅前、JR新横浜駅前に

  帰って来るコースです。

私が乗車したのは午前8時横浜駅前、帰還はその日の交通状況、参拝する寺の混雑状況(混んでいると、納経帳に御朱印を頂くのに時間がかかり、足止めになります)次第で代わりますが、予定では午後6時となっています。巡礼セットと称した、10回シリーズ分の蝋燭、線香、納め札、経本がつき、バスの中で取る弁当(なだ万のもので、意外と美味かった)がついて破格のお試し価格 3990円でした。第2回以降はコースによって5990円から11990円で計81900円です。

観音巡礼には西国三十三カ所、秩父三十四カ所とならび坂東三十三カ所(坂東の坂とは東海道の足柄峠、中山道の碓井峠をいう)があり、日本全国で合わせて百カ所の観音を巡ることになります。坂東三十三カ所は関東地方一都六県にまたがり、源頼朝、実朝が制定したと伝えられています。この三十三カ所を巡礼すると、善光寺および北向観音に「お礼参り」をするのが慣わしで、阪急交通社はこの一泊二日の「お礼参り」までちゃんと用意しています。

今回のバスツアーは高齢者の夫婦、男性仲間、女性友達同士が殆どで37名。席はそれぞれ旅行者が決めた席に座りますが、私のお隣は、少し年上の、リタイアしたばかりの男性。同じく巡礼参加は初めてのおひとりさまです。雑談をかわしているうちに、どうやら仏像趣味はなし、仏教にはさして知識はない、リタイアをして趣味作りを試みるうちに巡礼を思い立ったらしく、いつか、西国八十八カ所巡礼もしてみたいんだということでした。それならばバスではなく、本格的に歩きでやればどうですか? と聞いたのですが、まずは楽ちんなバスツアーを選んだとのことです。結願したら、ご自分の棺には、坂東三十三観音納経帳(御朱印をもらったもの)を一緒に入れてもらい、観音さまのところに導いてもらうと、奥さんに言い含めているそうです。それほど元気であれば、棺に入る前に百観音巡り、西国八十八カ所、歩いて全部回りきれますぜ、と言って大笑いになりました。このツアー、観光がてらに参加する人も多く、巡礼者恒例の白衣、半袈裟(首周りに懸けた袈裟を真似た略装、ループタイみたいなもんです)を着用していたのは我々、おひとりさま 二人組だけでした(ちょっと恥ずかしい)。 極めるには何事も形から入ることです。

東国の巡礼のお寺の観音さま(殆どは十一面観音)は、わずかに発願時の杉本寺の二体だけが重要文化財で、たいていは市、県の指定どまりで、文化財としては優れたものは少ないようです。お寺もこじんまりした簡素なところが多く、さすがに関西以西の霊場とは趣が違います。民間信仰に支えられた観音巡礼なだけに、古美術鑑賞の寺巡りではない心構えが必要でした。言わずもがなかも知れませんが、いろんなことがあるようで、本尊仏像が寺伝の平安でなく、それこそ南北朝の新しいものであることが文化財調査で判明し、それでも相変わらず寺の案内書には平安と書いてあったり、文化財指定のない「運慶」作のお像がたくさん書かれていたり、参拝者も目が高く、寺同士のプライドの高い京都、奈良界隈ではあり得ない事情ではありました。

本日はどの寺も参拝客少なく、道路もこんでおらず、横浜駅前帰還が4時過ぎでした。

次の第2回は5月。お隣のおひとりさまも、第2回以降も横浜出発で申し込むとのことで、機会があればまた、ご一緒しましょうと言いつつ別れました。

第一番 鎌倉市   大蔵山 杉本寺 天台宗

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第六番 厚木市 飯上山 長谷寺  真言宗

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第七番 平塚市 金目山 光明寺 天台宗

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第五番 小田原市 飯泉山 勝福寺 真言宗

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ツアーは旅行者添乗員と、先達(せんだつ)さんと呼ばれるいわば巡礼熟達のガイドさんが同乗して寺の由緒や、作法を細かく教えてくれます。寺では一塊になって、他の参拝者の邪魔にならないようにして、般若心経などを読経するのですから、本格的な巡礼です。面白いのは、巡礼地に到着した途端、若い女性の添乗員がリュックを背覆ってまなじりを決して猛烈にダッシュしてお寺まで走ること、走ること。そうです、納経帳に御朱印をもらうのに、相当の時間がかかるのです。小さなお寺で墨書していただけるお坊さんの数も少なく、丁寧に書いて頂けるので、今日も20数名分の納経帳を終わらせるのに時間が足らないのだそうです。他のバスも鉢合わせて混み合うと、1時間以上もかかることがあり、そうすると必然的に夕方のラッシュアワーにもぶつかって、下手をすると横浜駅帰還午後7時を大きく回ることもあるとのこと。また、高齢者のツアーはトイレ休憩、集合時間も遅れがちなど、添乗員さんの苦労はよく分かります。

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