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2013年7月 3日 (水)

坂東三十三観音巡礼第3回

阪急交通社主催の坂東巡礼の第3回(全10回)。本日は栃木県内の三寺院、

第19番大谷寺(宇都宮市)→ 第20番西明寺(益子町) → 第17番満願寺(栃木市)

と巡ります。広大な栃木県に坂東巡礼寺院は四つ(あとひとつは中禅寺)ありますが、どれもそれぞれの間に距離があり、バスでの巡礼でも1時間~1時間半は走り詰めになります。この三寺院はどれも古刹で特徴があって霊験あらたかな趣です。

天開山 大谷寺(おおやじ)  天台宗 創建不詳(平安初期)

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所在地の宇都宮市大谷町は建設材になる凝灰岩大谷石の産地で、この寺院はその大谷石の洞窟内にお堂があり、正確な年代が判明していませんが、本尊の千手千眼観音立像はその洞窟壁面に彫られた磨崖仏です。寺伝承では空海が刻んだとされますが、観音さまは平安期にはあったと言われるものの正確なところは分かりません。大谷石の彫刻に粘土を貼り付け、表面は金箔に覆われていたということですが、現在は摩耗した大谷石の地肌が露出しています。背丈は4mほどある大きな仏さまですが、穏やかな細めの立ち姿です。洞窟壁面の他の釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊とともに重要文化財に指定されています。大谷石は柔らかく、長い年月の間に横穴住居に適する洞窟があったようで、この一帯は縄文時代の生活跡が発見され1万年以上前の完全な人骨も資料館に展示されています。江戸時代には日光輪王寺別院となっていたぐらいですから、格式高い寺院なのでしょう。磨崖仏はすべて堂宇内に納まっているので、保存状態は大変良いことが印象に残りました。ご住職の説明が、栃木弁ののんびりした、暖かな口調で、自慢がましくなく聞き心地が絶妙でした。

午前7時30分にJR横浜駅西口を出発、大谷寺到着が10時過ぎ、次に向かう西明寺は焼き物の町益子町ですが、早くも昼食です。昼食は益子焼窯元共販センター。

 

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益子焼はまったく門外漢ですが、どちらかといえば生活用品なのでしょうか、気取っていないさりげない風情が持ち味のような感じがします。お好きな方は西明寺往訪がてらここに来られると良いでしょう。 焼き物ではありませんが、食事時向かいの席に座られた夫婦が、ここの辛子舞茸(佃煮)が名産品だと教えてくれました。 食事の副菜で並んでいました。

独鈷山 西明寺  真言宗豊山派  益子町 創建 天平年間8世紀  行基開山

重要文化財の楼門(15世紀)、三重塔(16世紀)が残存していて、予想以上に伽藍の立派な荘厳な寺院。本堂内に十一面観音ほかたくさんの仏像が良く保存されています(県文化財)。重文の建物は相当傷んでいる感じがしますが、室町時代のものがそのまま残っているようなので、国宝になぜ指定されていないのか、と思ったぐらいでした。三重塔はこじんまりしていて大変好ましい。 立派なお寺です。Img_4187

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山号 独鈷山とはその昔、益子寺と言われた平安時代、この地を訪れた空海の声望を妬んだ益子寺の僧たちが、空海を閉じ込め、危害を加えようとした時に、空海が肌身離さず持っていた独鈷(密教法具の一つ)を一振りして難を逃れた、という謂われがあるとか。バスツアー同伴の先達さんが説明してくれましたが、うろ覚えです。よくできた話ですが、創建の頃を思うと、都を遠く離れた東国の果てのこの立派なお寺ですから、当時は権勢高い寺院だったでしょうし、真言宗に帰依したのでしょうから、空海のゆかりは実際に、なにかあったのでしょう。

出流山(いずるさん) 満願寺  真言宗智山派  栃木市 創建8世紀   勝道上人開山

役の小角の修験道場であった鍾乳洞に籠もり子宝を授かった高貴の女人がいて、その子宝が後の勝道上人だったそうです。勝道上人は日光二荒山の開祖。坂東巡礼のこれら本日訪れた寺院は、歴史も古く、ちいさな叡山、高野山の趣もある寺院で、鎌倉周辺の大寺院よりも奈良、京都の寺院に近い落ち着きがあり、見直しました。

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ただ、残念なことに仏像さまよりも建築に興味がある方向きであります。満願寺の奥の院が先ほどの鍾乳洞ゆかりのスポットですが、本堂(大御堂)から山道を登ること1.5キロあるそうで、巡礼バスツアー行程では無理でした。ご本尊は秘仏でお目にかかれません。

出流山はこの地の山の名前でもありますが、出流そばという名物が有名で、門前近くに店が並んでいました。

この栃木の古刹巡りは自家用車では少し面倒ですね。なにも知らずに巡礼3回目バスツアーに参加しましたが、機会があればゆっくり再訪する値打ちがあると思います。東北道栃木ICに載って横浜駅西口帰還は午後7時を過ぎていました。

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