戦国武将のがん
胃がん、食道がん、昔の胃潰瘍等の罹患で胃を切除した人々が会員となっている、患者会アルファ・クラブ(東京都港区、会長は青木 照明 慈恵医大名誉教授、正会員は2594病院、2589人の個人)の月刊会報2月号に、胃がん、食道がんが死因と推定される武将の話が掲載されていました。
癌の語源は南宋時代の中国で、日本では17世紀になって癌という病名が知られるようになったと言います。ただし、解剖学的病理解明ができなかった時代には、触診だけの症例だけが論じられ、そのため腹部の癌の記録は残っていますが、頭部、胸部、その他の癌はほとんど記録されることがなかったと言います。この会報では、掛川 暉夫 久留米大名誉教授が食道がん、胃がん(とくに噴門がん)に罹患した戦国武将たちを推定していました。私たちにごく馴染のある武将ばかりです。
面白いことに、戦国時代の文書(もんじょ)には仕えていた武将の健康状態、症状を記録したものが多く残されているのだそうです。掛川先生は、その理由をトップの生死が仕える武士や、住民の生活の行く末に直結したため貴重な情報だったのだろうと推測しています。
日本食道学会で認められている毛利 元就(享年75)の食道がんのほか、掛川先生によれば、
武田 信玄(53) 食道がんもしくは噴門部胃がん
上杉 謙信(49) 噴門部胃がん
伊達 政宗(70) 食道がんによる癌性腹膜炎
黒田 長政(55) 食道がん
戦国武将ではありませんが、
徳川 光圀(75) 噴門部胃がん
だそうです。 吐く、つかえる、胸やけ、嚥下障害などの症状と触診(異常なしこり、痛み)などの記録だけからの推測で確定診断は知る由もありませんが、かくも多くの武将たちもがんに悩まされ、亡くなっており、がんは古くから私たちにごく身近な病気だったとあらためて感じます。
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