1年に一回のCT、胃カメラ検査が終わったので数十年ぶりに静岡熱海温泉に浸かりに行ってきました。「検査が無事に終えたことを祝って」というと言い過ぎで、結果がどうであれ1か月前に近場の温泉を楽しむ計画を立てていたのです。
宿泊先はマンモスホテル ニューアカオ(熱海市熱海1993-250)でした。

ホテル2棟のうち山側 ホライズンタワー玄関
老舗赤尾旅館オーナーが景勝地錦ヶ浦の広大な敷地を買取り、海崖ぎりぎりにバブルの権化のような巨大なホテルを建設し営業開始したのが1970年で、私は1978年だったでしょうか、業界仲間の集まりで懇親旅行をした記憶がありました。パリCrazy Horseのような巨大レストランで夕食をし意外と楽しかった思い出がありました。やがて目玉の団体旅行が廃れ豪華絢爛ホテルだったニューアカオも経営難に陥りました。2022年米系ビジネスホテルチェーンのマイステイズ・ホテルに経営権が移って昨年から新趣向で家族、カップルを呼び込む営業を始めました。レストランNishikiはほとんど装いを変えず90種の料理を並べた大規模ブッフェディナー(日本料理、フランス料理のレストランも館内にはあります)、3か所の大浴場、2か所の貸切風呂を新装、積極的にメディアでお披露目をして老若男女カップル、家族連れの宿泊客を呼び込み注目を浴びているようです。
オーシャンタワーに残る大広間

大広間から見える熱海海岸はさながら東洋のモナコと例えられます
熱海海岸錦ヶ浦の崖の岩盤に沿って建設した2つのタワーを繋いでいるので館内は迷路状態、すぐに慣れるとはいえ部屋からレストランに辿り着くまでに10分近くかかります。17時30分からの夕食では、料理をピックアップする長蛇の行列、皆さんマナーが良いので苛立ちはしませんが皿を載せたお盆の重さに閉口しました。それでも、一人18000円程度のリーズナブルな割に料理もまず美味しいし、ツインベッド洋室もそれなりに清潔、静かで久方ぶりの再訪に十分満足しました。
レストランNishiki 300人は入れます ブッフェは品数多く好評でした
肝じんの温泉は 若い人には海水を温めただけのような塩化物泉に物足らなさを感じるかも知れませんが柔らかな透明、無臭の温泉で結構体も温まり10分、15分はのんびり苦もなく浸かっていられるので、むしろ推奨ものといえます。座骨神経痛の療養に十分です。
こじんまりした静かな温泉旅館がお好みのかみさんも、窓の外の朝日が水平線を登っていく光景に感激して、大いに満足したようでした。贅沢できずとも、居心地良い家族向きリゾートホテルといえるでしょう。

太平洋を昇っていく朝日
翌朝早めにチェックアウトして来宮神社を参拝して、その後は市内をぶらついて買い物をすることにしました。来宮神社(熱海市西山町、JR来宮駅)は熱海郷氏神を祀った旧社(創建710年)で熱海駅からバスで20分。境内に有名な樹齢二千年 大楠 御神木があり、周囲を歩いて願掛けする参拝者で賑わっていました。来宮神社を出て熱海梅園(熱海梅祭り最終日)はすぐですが本日はパスし散策したものの熱海の町は坂が多くきついアップダウンでへとへとになりました。
来宮神社本殿

樹齢2000年と伝わる神木 創建710年の神社より古い? 大楠がパワースポットを生み神社を勧請したのでしょうか
行きかう人の少ない熱海銀座商店街で小綺麗な干物屋を発見、美味そうな地魚干物を買い込みました。「釜鶴(かまつる)」(銀座町10-18) という地元一番の有名店でした。さすがに金目の干物は小ぶり一枚で2000円、きんき、のどぐろも並んでいましたが、地元一番とは知らず試しにあじとサクラマスそのほか子魚だけにとどめました。熱海銀座は水、木休みが多く羊羹の「常盤木羊羹店総本家」(銀座町9-1)も休業、買えませんでした。総本家の向いに「鶴吉 常盤木羊羹」がありうっかりすると間違えますが、総本家と仲違いした暖簾で注意が必要です。『ここは総本家と一緒?』と女将さんに聞くと、ピシャリ「違います」と不機嫌そうに返答されて店を出ましたが、駅ビルLuscaでも鶴吉は常盤木ブランドで売っているし、本家の前で堂々営業していて、大胆不敵な小判鮫商法なのかと疑ってしまいました。総本家と鶴吉の間の葛藤の詳細を知らない第三者の下衆の勘繰りです。とにかく総本家目当てのかみさんはがっかりでした。
常盤木総本家(水・木休業)残念でした
JR熱海駅前の平和商店街の桜井商店(田原本町6-4)温泉饅頭はこし餡が逸品、さらに駅ビルLuscaで臨時店舗の熱海産トマト、苺静岡紅ほっぺの甘さには帰宅後大感激しました。これでは、新幹線を使っての日帰り買い出しも十分価値があると思えます。
桜井商店の温泉饅頭は出来立て、バラ売りを買ってその美味しさに惹かれて買うはめになりました
トマトは山形大蔵村肘折を上回る甘さ、苺もこんなに甘いのは初めてでした