ここしばらくAi との「会話」に夢中になってしまい、胃がん手術後遺症や坐骨神経痛を質問したり、はては学生時代の思い出の場所やら級友の情報やらを聞き出して楽しく過ごしました。なにせ、Ai は完全に丁寧な会話口調で応答してくれますしネタがあればエッセイも書いてくれるようで暇潰しの相手には最適です。ソニー製のロボット犬よりも知的な相棒です。これからDXの中心に居座り使いこなせないと医者や教師、法律家、編集者など専門職でも淘汰される時代になるでしょう。
そこで、かなり改善したものの私が今なお悩まされている足底知覚異常、痛みの治療法を相談してみました。
パソコンのAi ChatGPTが回答にかかった時間はほんの数秒です。本当に瞬く間でした。また回答は2年以上にわたり受診していた整形外科クリニック医師からも執刀してもらった専門病院主治医からも、ヒントすらもらえなかった理路整然とした明解な説明でした。これからの治療に希望が出てきました。以下長くなりますが、胃切除経験の方にも脊柱管狭窄症のいずれの方にも参考になると思いますので詳しくご説明します。
【 前提背景・発症状況・履歴 】 Ai には所与の事実関係 (時系列)を教えます
2006年4月 胃全摘手術歴
2022年1月 脊柱管狭窄症を発症し右腰部から右大腿部裏側、右腓骨に痛みが出て保存療法を開始。痛みが徐々に緩和。5月 両足底に痛みを発症。しびれ、圧痛、皮膚が裂けるような激痛、砂利を踏む感覚が遊走的・突発的に出る。常時違和感。
2024年8月 脊柱管狭窄除圧手術を受けて成功。足底の痛みは改善するも完全には消えない。頓用でトラマドール(かなりきつい鎮痛薬)を服用して凌ぐ。漢方薬(疎経活血湯+、牛車腎気丸または八味地黄丸)を服用開始する。
2025年6月 血液検査で「鉄欠乏性貧血」の指摘。血清フェリチン 10.4ng/ml をはじめヘモグロビン、赤血球数、ヘマトクリットで貧血を示す。医師は消化管(とくに大腸)からの出血を懸念し内視鏡検査を推奨。
【 Ai = ChatGPTの回答 】出血源がないか内科検査を薦められました。そのうえで、
1.末梢神経損傷が依然 残っている可能性
坐骨神経痛が長期に渡ると末梢神経に慢性的な障害が残り「神経障害性疼痛」を発することがある。
2.ビタミンB群の欠乏
胃全摘の後遺症としてビタミンB1B6B12の欠乏がある。欠乏をきたすと巨赤芽球貧血や末梢神経障害を発症する。特に足底の「じりじり」「灼熱感」「痛み」はビタミンB群の欠乏による神経障害の典型的症状。ビタミンB群は末梢神経の修復に欠かせない。
足底知覚異常は、糖尿病による高血糖で神経線維損傷、血流障害による栄養・酸素供給の阻害、また人工透析患者で尿毒素体内蓄積により末梢神経が障害されて、同じような症状を発症する。
3.鉄欠乏性貧血も胃全摘後遺症
消化吸収能力の大幅低下で十二指腸での鉄吸収効率が損なわれる。鉄は酸素と結合して血流を通して体内に酸素供給をするが、欠乏すると①神経の機能低下②神経伝達物質の合成異常が起こって末梢神経の機能維持、修復に影響を及ぼす。
【 ChatGPT の結論 】
もっとも高い可能性はビタミンB群の欠乏、鉄欠乏の双方で末梢神経の修復が妨げられて痛みの治癒が遅れていること
【 ChatGPT が受診を推奨する診療科 】
①胃全摘手術を受けた病院の当該外科、内科 ②栄養学の知見のある消化器内科 ③神経内科
~~~~以上がAi ドクターの回答でした。
鉄欠乏が消化管からの出血によるものでないことを前提にして、もっとも近道の治療は胃全摘後遺症の栄養障害であって、整形外科的な治療ではないことになります。ビタミンB群、鉄の摂取は市販のビタミン剤、ミネラルサプリメントで容易ですし、いざとなれば内科で筋肉注射、経口投与を受けることができます。万一、末梢神経がボロボロになってしまっていると(実例はあります)難しくなるでしょうが、この回答でまだまだ治癒の可能性があり希望を持つことができました。まさにAi ドクター様々です。
それにしても、整形外科では「気長に時間をかければ症状が改善します」「リハビリをよく行いましょう」と言われるだけで患者の基礎的疾患、機能的な状態を勘案されなかったことになります。情けない。近未来には、医師診察の前にタブレットでAiと問答させられ、Ai 診断結果に医師が頼る日常が到来しそうです。そうなれば診察がスムーズに流れ医師の数も削減出来、ついには能力の低い医師はどんどん放逐されることになりそうです。
Ai ドクターは先入観、固定観念をもたず多面的、自在に考え既知の知識を無限に検索するので、初期診療の現場でアッという間に普及するように思えます。面白い時代です。
<追記> Ai ドクターへの質問で、
①漢方薬の中で鉄吸収を阻害するものはないこと
②坐骨神経痛に有効な漢方薬には疎経活血湯、牛車腎気丸、八味地黄丸、芍薬甘草湯、とオ―ソドックスな回答をもらいました。よく知っておられます。
また反省点・・・
①狭窄による痛みは右足のみで左大腿部、腓骨に症状がでていなかった。それに反して左右足底に痛みが出ていたことにもっと注目すべきでした(もちろん、その「不思議」は医師に幾度か訴えましたが所見はなしでした)。
②専門病院入院時貧血が血液検査で示されていました。医師や看護師にその理由や健康管理方法を問えばよかった。外科手術の出血、制限のある病院食事で一時的に鉄不足が起こるといいます。その時の貧血から回復できずにいるのかも知れません。