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旅行・地域

2025年6月12日 (木)

10回目新玉川温泉

6月9日(月)から3泊4日で秋田県仙北市の新玉川温泉に行って参りました。新玉宿泊はこれで10回目です。

東京駅から秋田新幹線こまちと田沢湖駅からの路線バスを乗り継いでおおよそ4時間、さすがに遠く秋田焼山中腹(標高600m)の山奥にあり周囲には玉川温泉(本玉)があるだけ、ひたすら湯に浸かって体を休めるだけになります。がんなど難治療養で日本各地から自家用車で来られる方は1~2週間の滞在、2~3泊のツアー(阪急やクラブツーリズムなど)で来られる方、さまざまですが世界的にも稀な強酸性湯(PH1.2の源泉)はいわば希硫酸、希塩酸の中に身体を浸しその治療効果を期待する人々の間で人気があります。酸性湯ならびにその中に含まれる放射性物質の効果は学術的に認められていないと思いつつも、体が温まって熟睡できること間違いなし、健康食と森林浴の毎日で体調が改善することだけは請け合えます。直前に肩痛に襲われたかみさんもがぜん快調になりました。

滞在中には各地で梅雨入りが宣言され、一日は厳しい雨風で外出できないこともありましたが、往路、帰路の移動の際には天候にも恵まれ傘もさすことなく快適に車窓景観を楽しみつつ旅ができました。4日滞在中、入浴10回、屋内岩盤浴1回(今回から有料になっていました)、幸いにも湯当たりもせず皮膚がかぶれることもありませんでした。新緑の美しい季節ですが次回は紅葉の季節に再訪したいと思いつつ帰路に着きました。

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高原リゾートホテルを謳うロッジ風建物      玉川温泉(本玉)は自炊湯治の創業ですがここは自炊はできません
朝夕ビュッフェ2食付きです  八幡平観光のベースにもなり人気があります



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玉川温泉源泉 大噴(おおぶき)    噴出温度98℃ 噴出量毎分 900リットル PH1.2

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ホテルから徒歩数分の玉川大橋からの秋田山系   紅葉の名所でもあります

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5月、6月にわずか一日半の命の花  朴木(ほうのき) 5~10mになる高木で大柄な葉は蒸し焼き料理の包になります この季節の花として印象的です

2025年5月22日 (木)

戸隠うずら家のそば

 先月行ったばかりの長野を訪れ今回は戸隠神社を参拝しました。

かみさんの要望に従い前日に到着後善光寺参拝、市内で宿泊し翌朝戸隠神社を訪れました。急行バスでの戸隠参拝だけなら日帰りで可能でしょうが、戸隠の参道を歩いて一ノ宮の宝光社から神道(かんみち)で中社まで登ることにしたのです。戸隠神社最後の宮 奥社入口までは中社から徒歩で20分以上、さらに社殿まで熊が出没する深い森を徒歩40分かかるので中社までにとどめました。

長野移動後さっそく善光寺脇参道の小菅亭(そば処こすげてい、市内長野367)で昼食をとりました。蕎麦は細切、水分を含み柔らかめで北野家、大丸のそれとも共通しています。返しはやや甘口で好みが分かれるところでしょう。デミタスカップで焙煎香りのあるコーヒーをセルフサービスで提供してくれ洒落ています。宿泊は駅近くの相鉄フレッサインにしました。神奈川県下に営業路線のある相模鉄道グループのビジネスホテルチェーンです。先月も利用しましたが部屋が清潔、寝心地良いベッドでお薦めです。

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そば処 小菅亭   善光寺脇参道にあります   平日昼時を外れていたので店はすいていました

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湯葉玉子とじ  と天ぷら+かけそば

 

翌朝アルピコ長野交通の急行バスで戸隠神社宝光社まで直行(50分)しました。このバスは中社、奥社入口まで行くことができます。宝光社の男坂を下から眺めて即諦め、女坂をえっちらおっちら登り、それでも息切れしました。その後の中社までの神道は、時に熊も出没する森の中で日中といえども単独や、二人きりで歩くには心許なくスリル満点です。中に樹齢数百年の杉の大木や寄生する樹が絡まり大蛇のように見えるものもありさすがにパワースポットの妖気を感じさせます。


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戸隠神社最初の宝光社  男坂は難敵です


  
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森の中を行く神道  宝光社~中社、 中社~奥社とあります   中社まで若い人であれば20分ほどの登坂


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中社までの神道  人影もなくこんな道が続きます    前方を一人歩いていた男性が途中から諦めて引き返してきました


 

1747954764374生命力を感じる異形のデフォルメ

 

174795476456112_20250525202501絡まったつるが蛇にしか見えません


中社に着いたのが11時前、戸隠一番人気のそば屋 うずら屋を探します。中社大鳥居の斜め前、すでに長蛇の列で店頭の待合リストに名前を記して順番待ちをすることになります。「ただいま一時間待ちです」の表示があり、中社の参拝を先にすませました。曇り空が幸いして雨も降らず暑い日差しにさらされることもなく店頭周辺でのんびり待つことが出来ました。呼ばれたのは55分後でした。

250522124421408_20250526101501人気のない神道(宝光社~中社)を登りやっと中社に到着します



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中社社殿  本日はここまでです



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鳥居前にある 蕎麦処うずら屋  一番の人気店です  2階もあって中は結構広い


名前を呼ばれた時にその場に不在の客も、少なくとも一度は後で呼び直して入店させているようです。客待ちを仕切っている若い衆もキビキビしていて手馴れています。テーブルに座ってから気が付きましたが、この店は忙しくとも女性、男性店員も愛想よく気が利いていて動きが早い。店長らしきベテランの親父さんが、頼む前に蕎麦湯を飲むための茶碗をかみさんに持ってきてくれたり、「つゆを少し入れると美味しいよ」と新しく出し汁をすぐに持ってきてくれました。有名な繁盛店ですがこれだけ店員が親切でキビキビしているので人気がある理由が分かります。そして何よりそばが美味しい。帰りの急行バスの予約時間もありましたので、天ざると玉子とじだけで、見るからに美味しそうな蕎麦がき、蕎麦豆腐は試せませんでした。それでも十分 戸隠そば、山菜天ぷらを堪能できました。私は高校時代山岳部に入って北アルプス縦走の最後、戸隠そばを口にしてその美味しさに感動したことを思い出しました。自家用車や急行バスで直接中社まで来て戸隠そばを楽しみにやって来る参拝客の多いことは容易に想像できます。路線バスもあり往来に支障はありませんが、急行バスは全席指定、混雑するので事前予約が必須です。

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信州はそばの量は多め  細切、戸隠は腰があります(もちろん柔らかめに茹でてもらいました)
そばつゆは濁りなくすっきり、やや辛め

12時47分中社発の急行バスは45分で長野駅到着。ターミナルにある東急百貨店、JR駅ビルMiDoRi で土産物各種を買込んで、当駅始発あさま自由席に乗って帰路につきました。今夜はよく眠れそうです。

2025年4月23日 (水)

長野ミニ同窓会

 善光寺のある長野市一泊とついでに湯田中温泉の一泊旅行から帰りました。長野市内で大学クラブ美術研究会メンバー4人が集まり飲み会を催したのです。長野といっても市内から2時間半の郡部に長年住むO君を中心に、千葉や神奈川に住む3人が来訪しました。

 O君は信州大学で長年教鞭をとっていて、その教え子で酒豪のT君が特別参加して盛り上げてくれました。善光寺近く権堂町のO君、T君ご贔屓の居酒屋で用意してもらった鴨鍋、軽い油で揚げた新鮮な山菜天ぷらは実に美味しかった。5人のうち3人は底なしに近い飲んべえなので地元の日本酒を軒並み賞味して盛上り、楽しいひと時を過ごすことが出来ました。実はO君は免疫チェックポイント阻害薬の長期連続投与を終えて現在は経過観察をしている肺がん罹患者です。新薬の効果は素晴らしく、O君は副作用に苦しむこともなくご自身曰く年々元気になって目を見張るばかり、この夜も楽しく過ごせました。終了後、師弟だけの2次会に行くO、T両君と別れて長野駅前のホテルに戻りました。O君の経験談は肺機能に心配なしとしない我々にとって勉強になります。

    この同窓会の前に私は、善光寺に参拝し大門前のお気に入り蕎麦屋大丸で信州そばを堪能しました。この日の長野は気温27℃、参道を汗だく40分歩いて善光寺に辿り着きましたが緩やかな登坂、暑さでへばり気味になりました。善光寺までの途上、「絵解きの寺」として有名な浄土宗西光寺という小さい寺に立ち寄りましたが、物珍しそうに境内を散策している中国人や白人の観光客もいて、とうとう善光寺周辺にも海外からの観光客が殺到していることを再認識しました。次の日遠方からの3人は、新潟へゴルフコンペに行く者、美術館に寄って帰宅する者それぞれに分かれ私は湯田中温泉郷に行くことになりました。

 

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善光寺 国宝本堂     午後はさすがに観光客もすくなく静かのんびり参拝できます

 

 

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善光寺大門前の日本蕎麦 大丸   オーソドックスな二八信州そばの名店

 

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定番 更科そば  大盛がなくこれで普通盛りです     気取りのないぶっきらぼうな盛り付け     柔らか目をお願いしたら二つ返事で応じてくれました

 

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参道途中にある苅萱山寂照院西光寺(かるかやさん  じゃくしょういん  さいこうじ)    浄土宗 創建12世紀  境内の桜が綺麗でした

 

長野電鉄特急乗車45分で湯田中駅に到着、駅隣接の日帰り温泉施設「楓の湯」、徒歩30分で渋温泉の共同浴場「大湯」に入ることにしました。

楓の湯は入浴料500円、内湯と細長い露天湯があり、露天には満開の桜の樹が覆いかぶさり抜群の風情でした。人気がありこの日数人の白人客が入浴していました。無色透明の単純温泉。ぬるめで刺激が少ない柔らかな湯なので長時間入っていられます。湯田中温泉宿泊客でも現在は共同湯に入れず「楓の湯」が数少ない立ち寄り湯の一つです。渋温泉「大湯」は9つある共同湯のうち日帰り客でも入浴できる唯一の外湯。温泉協会または近くの旅館で入浴料800円を払えば宿泊客でなくても入浴できます。ここでチェコから来た男性観光客と同席しました。湯田中駅からバスで地獄谷野猿公苑に行き、温泉入浴する野生の猿を見るツアーが外人観光客に人気ですが最近は麓の湯田中渋温泉郷に宿泊または立ち寄り入浴する人も多いようです。しかし湯田中、渋ともに昼食を取れる手頃な飲食店や雑貨の店がほとんどなく、昔ながらの湯治や長期滞在には向きません。 

   湯田中温泉では低廉、一人客でも宿泊歓迎の 伊東園ホテルズチェーン「水明館」に宿をとりました。朝夕ビュッフェつき、トイレ・バスつき10畳、小部屋つきで11000円ほど。大浴場はきちんとリニューアルされているし、ビュッフェも期待以上に美味しく種類もそこそこあり初めての伊東園ホテルズ経験でしたが十分満足できました。高齢客中心の宿泊客多く人気がある理由に納得できました。この時期の信州の沿線には桜と、可憐なりんごの白い花が咲き美しいのどかな里山、田園風景が広がっていました。
いずれまた機会をみて信州旅行を楽しみたいと思いつつ長野駅を後にしました。

 

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長野電鉄湯田中駅隣接の日帰り入浴施設「楓の湯」  外にも内にもロッカーがあり荷物や貴重品預けに心配はありません
ドイツから来訪で3週間信州中野駅そばの寺院でアルバイトをして滞在している若者(20代前半ベルリン生まれ)と日本食、温泉談議になりました
日本の米が大好きだとのことで意外でした もちろん刺身も大好き

 

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渋温泉外湯 大湯  お隣の旅館で入浴料を払い、女将さんに鍵を開けてもらい入場しました
熱めの硫黄にごり湯でからんはなく  さっと湯を浴びるだけでした

 

 

最終日長野電鉄特急で長野市内に戻り、かみさんご指定の土産物の買い出しです。いろは堂おやき各種、竹風堂生どら焼き・栗羊羹、根元八幡屋礒五郎の七味唐辛子各種など。自宅で早速試し食いをしておやきは期待に合いませんでしたが、信州そば以外の名産の味を楽しみました。


 

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いろは堂 おやき各種 野沢菜は繊維強く塩分多めで私は苦手です  切干し大根も塩分強くもはや漬物風味
野菜ミックスはかろうじて大丈夫でした

 

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その他 八幡屋礒五郎   竹風堂  小布施堂  各種名物

 

 

 

 

 

 

 

2025年4月18日 (金)

東北プチ名産 温泉地土産

来週長野市で大学クラブの4人で集まる同窓会を開きます。一昨年の長野、京都での開催に次ぎ参加するものです。昨年秋も横浜で開催されましたが、あいにく私は脊柱管狭窄手術で間もなかったため不参加でした。

長野市内で夜の会食の後、翌日私一人で湯田中温泉に一泊して戻ることにしました。午後、えきねっとで予約していた往路北陸新幹線はくたか指定席と、帰路の自由席券を取りにJR駅の自動券売機まで立寄りました。駅のイベントコーナーで東北物産の販売を行っていました。せっかくなので冷やかすつもりで見ていると、岩手の南部せんべいと弘前のアップルパイが置かれていました。

南部せんべいは羽沢製菓(岩手県八幡平市清水)の「羽沢の南部せんべい 厚焼きピーナッツ」、アップルパイは㈲ラグノオささき(青森県弘前市百石町)の「パティシエのりんごスティック」というお菓子です。

それぞれ新玉川温泉、新幹線新青森駅(酸ヶ湯温泉の帰り)の売店で買ったことがありその美味しさにこれぞプチ名産と驚いたご当地菓子です。さすがに美味しい地元の自慢すべき名品らしく関東でイベント出展に品揃えしているとは地元を離れても人気があるのだと再認識しました。とりわけ、羽沢の南部せんべいは伝統的な、『固い、素朴な小麦の菓子』のステレオタイプを破ったバター風味クッキー仕立て、ピーナッツを練り込んだ斬新な西洋焼き菓子風をひねり出した革新さに感心します。ピーナツは残念ながら消化に難点がありたくさんは食べられませんが、欧米の古い素朴なクッキーを思わせて和洋折衷の妙を感じます。おすすめです、お試しあれ。

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りんごスティックにはチョコレートをはさんだ「ショコラ」がありそれも絶品ですが残念ながら売切れていました

2025年3月12日 (水)

JR切符取消手続き

JR駅のみどりの窓口へ行き、山形蔵王行の切符の取消し払戻に行きました。

山形新幹線つばさの東北新幹線連結が休止状態(14日からダイア復活予定)で蔵王のホテルキャンセル料回避のためにすでにキャンセルしていたのです。連結復活が出来ずに終わると福島で乗換えに合わせてバタバタするのが嫌ですし、ホテルの送迎バス(50分)の代わりをアレンジするのも面倒です。

午前のみどりの窓口は受付番号を機械でもらうようになっていて、「50番、17人待ち」でした。ありゃーそんなに待つのか?と嘆きつつそれまで銀行の貸金庫に行ったり、駅イベントスペースで青森県名産品の特設販売コーナーを冷やかして戻り、待合室の椅子に座ると目の前にポスターがあり「自動券売機」で払い戻しができます、と書いてありました。試しに券売機コーナーに行って係員に聞くと、大人の休日倶楽部会員割引+えきねっと・ネット予約の発券済でも可能と分かりました。ヤッホー、これで1時間近く待たなくてすむぞ、と払い戻しをしました。途中係員から、みどりの窓口で手続きをすると今回は例外措置で取消料=新幹線指定席 各340円+乗車券 各220円、往復2人分=2240円は免除になりますが、自動券売機ではクレジットカード払戻から差し引かれます、と言われました。

くそっ、JRの不手際なのに乗客を待たせるのか! と憤慨したものの面倒になり取消料を負担してでも早く帰宅することを選びました。しかし、なんといっても、割引切符でも自動券売機で購入や、払戻が簡単にできるようになっていて、これは大変喜ばしいことです。願わくば、ジパング会員割引の購入でJR東日本、北海道以外の、東海、西日本などの乗車券、指定席券をインターネットや、自動券売機で購入できるようにしてくれれば有難い、現在はジパング会員割引は相変わらず会員証持参で有人窓口でなければ買えません。

残念ながら初めての蔵王温泉旅行は中止です。

2025年2月27日 (木)

熱海温泉一泊旅行

1年に一回のCT、胃カメラ検査が終わったので数十年ぶりに静岡熱海温泉に浸かりに行ってきました。「検査が無事に終えたことを祝って」というと言い過ぎで、結果がどうであれ1か月前に近場の温泉を楽しむ計画を立てていたのです。

宿泊先はマンモスホテル ニューアカオ(熱海市熱海1993-250)でした。

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ホテル2棟のうち山側 ホライズンタワー玄関 

老舗赤尾旅館オーナーが景勝地錦ヶ浦の広大な敷地を買取り、海崖ぎりぎりにバブルの権化のような巨大なホテルを建設し営業開始したのが1970年で、私は1978年だったでしょうか、業界仲間の集まりで懇親旅行をした記憶がありました。パリCrazy Horseのような巨大レストランで夕食をし意外と楽しかった思い出がありました。やがて目玉の団体旅行が廃れ豪華絢爛ホテルだったニューアカオも経営難に陥りました。2022年米系ビジネスホテルチェーンのマイステイズ・ホテルに経営権が移って昨年から新趣向で家族、カップルを呼び込む営業を始めました。レストランNishikiはほとんど装いを変えず90種の料理を並べた大規模ブッフェディナー(日本料理、フランス料理のレストランも館内にはあります)、3か所の大浴場、2か所の貸切風呂を新装、積極的にメディアでお披露目をして老若男女カップル、家族連れの宿泊客を呼び込み注目を浴びているようです。
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オーシャンタワーに残る大広間 

 

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大広間から見える熱海海岸はさながら東洋のモナコと例えられます

 

熱海海岸錦ヶ浦の崖の岩盤に沿って建設した2つのタワーを繋いでいるので館内は迷路状態、すぐに慣れるとはいえ部屋からレストランに辿り着くまでに10分近くかかります。17時30分からの夕食では、料理をピックアップする長蛇の行列、皆さんマナーが良いので苛立ちはしませんが皿を載せたお盆の重さに閉口しました。それでも、一人18000円程度のリーズナブルな割に料理もまず美味しいし、ツインベッド洋室もそれなりに清潔、静かで久方ぶりの再訪に十分満足しました。

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レストランNishiki 300人は入れます    ブッフェは品数多く好評でした

 

肝じんの温泉は  若い人には海水を温めただけのような塩化物泉に物足らなさを感じるかも知れませんが柔らかな透明、無臭の温泉で結構体も温まり10分、15分はのんびり苦もなく浸かっていられるので、むしろ推奨ものといえます。座骨神経痛の療養に十分です。
   こじんまりした静かな温泉旅館がお好みのかみさんも、窓の外の朝日が水平線を登っていく光景に感激して、大いに満足したようでした。贅沢できずとも、居心地良い家族向きリゾートホテルといえるでしょう。

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太平洋を昇っていく朝日   

 

翌朝早めにチェックアウトして来宮神社を参拝して、その後は市内をぶらついて買い物をすることにしました。来宮神社(熱海市西山町、JR来宮駅)は熱海郷氏神を祀った旧社(創建710年)で熱海駅からバスで20分。境内に有名な樹齢二千年 大楠 御神木があり、周囲を歩いて願掛けする参拝者で賑わっていました。来宮神社を出て熱海梅園(熱海梅祭り最終日)はすぐですが本日はパスし散策したものの熱海の町は坂が多くきついアップダウンでへとへとになりました。

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来宮神社本殿 

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樹齢2000年と伝わる神木  創建710年の神社より古い? 大楠がパワースポットを生み神社を勧請したのでしょうか

   行きかう人の少ない熱海銀座商店街で小綺麗な干物屋を発見、美味そうな地魚干物を買い込みました。「釜鶴(かまつる)」(銀座町10-18) という地元一番の有名店でした。さすがに金目の干物は小ぶり一枚で2000円、きんき、のどぐろも並んでいましたが、地元一番とは知らず試しにあじとサクラマスそのほか子魚だけにとどめました。熱海銀座は水、木休みが多く羊羹の「常盤木羊羹店総本家」(銀座町9-1)も休業、買えませんでした。総本家の向いに「鶴吉 常盤木羊羹」がありうっかりすると間違えますが、総本家と仲違いした暖簾で注意が必要です。『ここは総本家と一緒?』と女将さんに聞くと、ピシャリ「違います」と不機嫌そうに返答されて店を出ましたが、駅ビルLuscaでも鶴吉は常盤木ブランドで売っているし、本家の前で堂々営業していて、大胆不敵な小判鮫商法なのかと疑ってしまいました。総本家と鶴吉の間の葛藤の詳細を知らない第三者の下衆の勘繰りです。とにかく総本家目当てのかみさんはがっかりでした。

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常盤木総本家(水・木休業)残念でした

 

JR熱海駅前の平和商店街の桜井商店(田原本町6-4)温泉饅頭はこし餡が逸品、さらに駅ビルLuscaで臨時店舗の熱海産トマト、苺静岡紅ほっぺの甘さには帰宅後大感激しました。これでは、新幹線を使っての日帰り買い出しも十分価値があると思えます。

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桜井商店の温泉饅頭は出来立て、バラ売りを買ってその美味しさに惹かれて買うはめになりました
トマトは山形大蔵村肘折を上回る甘さ、苺もこんなに甘いのは初めてでした

2024年12月19日 (木)

大沢温泉 温熱療養

   15日日曜日から3泊4日岩手県大沢温泉に温熱療養に行ってきました。東北新幹線新花巻駅から温泉組合送迎バスで45分、今回は大沢温泉に宿泊する客が多かったおかげか旅館の自前バスで直行30分で到着しました。組合バスは一日3便ありますがJR在来線花巻駅(新花巻駅から車で20分かかります)から路線バスがあるし、またいざとなれば新花巻駅からチャータータクシー5000円で行けるようです。

大沢温泉山水閣に到着する直前からの雪が翌日降り続いて、銀世界に閉じ込められました。もともと旅館は県道12号線沿いにあり周囲に民家があるもののコンビニも2㎞離れている一軒宿、日がな温泉に浸かって過ごすしかありません。4日間滞在中、入浴は12回、1泊当たり1回はじっくり湯に入って体を温めて過ごしました。専門病院で処方してもらった漢方薬 疎経活血湯(そけいかっけつとう)を毎日3回忘れずに飲み、自己暗示的なのかも知れませんが足底知覚異常や痛みが改善してきました。この際、気のせいでも錯覚でもどちらでも構いません。疎経活血湯の医療処方量を服用し始めて2週間あまり、効果を感じています。


旅館は湯治屋という自炊や食堂利用の湯治客用の宿泊施設や、山水閣という旅館部からなっています。湯治屋はお年寄りの長期滞在客だけでなく、若者が気楽に温泉を楽しめる料金で大人気の宿です。私たち夫婦は山水閣に宿泊、朝食はバイキング、昼夜は湯治屋にある食堂(「やはぎ」)でアラカルトで済ませることにしました。最後の夕食だけ旅館部の懐石料理を頼みましたが、懐石料理は量も多いし苦手な山菜は半分しか食べることができませんでした。やはぎでアラカルト定食の食事がベターだと再認識しました。

滞在中入浴回数12回、毎日1回はじっくり湯に浸かって体を温めて温熱療養の真似事をしました。3日目の雪見露天で10分入浴 + 5分足湯休憩を3回繰り返して突然、両踵から足先に血流がスーッと走る感覚を感じその後足底の知覚異常が軽くなった気がします。手術前肘折温泉で温泉三昧した効果はあえなく3日もすれば消えましたので今回もその轍(てつ)を踏まないように望みますが、いますこし確認が必要です。でも一面銀世界の中での温泉三昧は夫婦ともどもゆったりして過ごすことができました。

 

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大沢温泉山水閣(旅館部)

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到着した翌朝 小雪が舞い散る一日    豊沢川河辺の部屋

241216113152911湯治屋 食堂やはぎ   愛好者多し

 

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 ある日のやはぎ夕食 生姜焼き定食   米と味噌汁が実に美味しい   

2024年12月 5日 (木)

六波羅秘仏参拝旅

  京都 六波羅蜜寺の国宝十一面観音像を参拝しました。

 六波羅蜜寺ご本尊十一面観音像は全国に7体ある国宝十一面像のうちの一つで12年に一度辰年に開扉される秘仏です。今年は11月3日から12月5日まで公開されました。この機会にかみさんの好きな宝塚大劇場で観劇、西の叡山といわれる姫路書寫山圓教寺などいくつかの寺院も訪ねました。夏の猛暑のおかげで遅れた紅葉の見頃に巡ることができて幸運でした。

 

第一日11月30日(土)  宝塚大劇場

新横浜駅から新幹線ひかり号に乗り正午前新大阪に着きました。JRジパング会員30%割引のひかり号を利用します。そのひかり号は紅葉シーズンとはいえ驚くことに指定席すべて売切れでした。大阪新阪急ホテルに荷物を預ける前に、新大阪駅美々卯でうどんを食べTSUMAGARI大丸店 (本店 西宮市甲陽園) でかみさんご愛好のクッキー類を買込みました。阪急交通社の宝塚観劇新阪急ホテル宿泊パッケージツアーなのです。コロナ自粛期間やそれ以前、比較的大劇場チケットは手に入りやすかったのですが、劇団員いじめ自殺騒動でも人気は衰えず大劇場ですら阪急交通社抽選で入手困難になりました。そのためほぼ確実にチケットを入手できる暴力的割高パッケージツアーを(泣く泣く)申し込んだのです。

 

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阪急梅田駅コンコース  両サイド阪急百貨店のクリスマスディスプレイ    天井はオーロラを想像させます

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クリスマス・ディスプレイ

 

   夕食後チェックイン、来年1月閉館する大阪新阪急ホテル(北区芝田、梅田駅直結)の狭いツインルームにがっかりしました。べらぼうに高い「観劇を餌に釣れるだけ釣ろう阪急商法」に憤慨しました。唯一利便性だけは抜群です。10年以上前にも、(旧)宝塚ホテル泊観劇ツアーに参加し阪急ホテルチェーン会員証のポイントをつけて下さいと、フロントの中年女性に会員カード示したら木で鼻を括ったような態度で『ツアーではポイントはつきません』とカードをデスクに滑らせて突き返され、腹を立てたことがありました。いじめ騒動の一連対応ぶりや、ファン不在の阪神タイガース岡田監督解任劇を見ていると、関西人が誇る阪急ブランドに胡坐をかいた商法がいまだ改善されていないように思います。コロナ禍で悪戦苦闘する経営状況とはいえ小林一三翁精神に反したその時限りの刹那商売といえます。

 

さて梅田駅から宝塚駅まで阪急急行で35分です。駅ビル・ソリオの中のべーカリー『 パン工房ふえるへん 』(宝塚市栄町2丁目)が宝塚名物よもぎ焼餅を販売しています。ベーカリー店主である河本本舗やきもち屋の息子さんが復活させたのです。かつて大劇場までの通り道に炭酸煎餅や焼餅土産店が軒を連ねていた時代がありましたが、いつしか河本本舗だけが残り親父さんの引退廃業とともに名物が長らく消えていました。すきっ腹で食べるとダンピング必至ですが甘さ控えめこし餡で柔らかくよもぎがほのかに香る名品なのです。

 

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「パン工房ふぇるへん」一角にある河本本舗元祖やきもち

 

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宝塚名物やきもち  5ケ400円

 

 

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大劇場    入口を入るとグッズ店、レストランのアーケードが広がります

 

月組公演「ゴールデン・リバティ」(11/16~12/25)は新トップ コンビ 鳳月 杏、天紫珠李さんのお披露目公演です。かみさん情報によればこのコンビは歌、踊りとも抜群に上手だそうで、確かにダンスは動きが早く流れるようでした。ただ宝塚素人の私には鳳月 杏さんの歌が変調に次ぐ変調の難しい曲で音程正しく聞き取れませんでした。娘役トップ 天紫さんはスタイルよく大柄、くっきりした目鼻立ちでこれからの大活躍が期待されるものの、お披露目とあって表情が硬く緊張しているように見えました。一見似ているアンミカさんのように大胆朗らかに演じれば良いのにな、と言うとかみさんから、宝塚とバラエティタレントを一緒にしなさんなと窘(たしなめ)られました。私の宝塚歌劇に対する興味は怪しいものの舞台に近い9列席だけあって劇団員の視線が迫り、おかげさまで一瞬の寝落ちもなく終幕まで見ていられました。

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月組公演シナリオブック

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レビュー前休憩時間

 


     梅田駅に戻ったのが午後7時半、ホテルのレストラン(オリンピア・ブッフェ)は2週間前でも予約が取れずまたもや美々卯のうどんにしました。今度は阪神百貨店9F。チェックインした新阪急ホテルの狭いツインべッドに入りました。
明日は、姫路の書寫山圓教寺参拝です。

 

第二日12月1日(日)書寫山圓教寺

朝食後早めにホテルをチェックアウトして姫路に向かいます。大阪姫路間はJR新快速で65分。在来線特急並みの速度で普通乗車券のみ、15~20分置きの運行なので大変便利です。姫路駅から路線バス40分で書写山ロープウェー駅に到着します。


    書寫山圓教寺   天台宗別格本山  創建 10世紀  開基 性空 


「しょしゃざん えんぎょうじ」と読みます。西の叡山と呼ばれる大寺院で性空(しょうくう 910~1007)に帰依する天皇、貴族の信仰をあつめました。なかでも歌人 和泉式部(976~1030)が寺の柱に和歌を書き記した逸話で有名です。恋多き女性 和泉式部は煩悩を抱え仏の教えを請い性空上人に問いかけた和歌だったそうです。和歌文学史上有名なお山として訪ねてみたかったのです。ちなみに東の叡山は、江戸上野 東叡山寛永寺(とうえいざん かんえいじ)です。

 

古くから山岳修行道場だった書写山は織田、豊臣との戦火に会い寺宝の多くが失われました。からくも中心伽藍が残ってその威容を誇っています。残念ながら、重要文化財クラスの仏像 本尊釈迦如来坐像(大講堂)、阿弥陀如来坐像(常行堂)は拝観できませんでした。大きな伽藍で姫路市内、播磨灘を一望できる眺望と真っ盛りの紅葉を楽しみに多くの善男善女が登っていました。私たちも結局のところ寺宝拝観よりも紅葉狩りの一日になりました。

 

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山門をくぐって参道を登ると最初に辿り着く「魔尼殿(まにでん)」(観音堂)。   魔尼とはサンスクリット語で宝という意味、如意輪観音をご本尊として安置しています。如意輪観音座像は13世紀 19㎝足らずの木造仏で非公開。魔尼殿は崖に木材を組み合わせて柱を立てた清水寺舞台と同じ懸け造り、昭和の再建です

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中心伽藍 西谷にある三の堂。右が大講堂、奥に食堂、左軒 常行堂、いずれも室町時代建造で重要文化財です。三堂のうち入場できる食堂に仏像、絵画の陳列があり中に寺伝 定朝作(未認定)の地蔵菩薩立像などが展示されています

 

241201115311281現在は営業していない旧宿坊

 

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鐘楼

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ロープウェー山上駅にある展望デッキ     書写山350mほどの高さにあり姫路市街、播磨灘を望むことができます

 

境内はアップダウンあり広大なのでくまなく観て廻ると時間が足らなくなります。三の堂で御朱印を頂いて下山しましたが、路線バスが週末の渋滞に嵌って30分以上遅れて到着したので、当初予定の姫路京都間新快速(100分)から新幹線(45分)に切り替えて京都に移動しました。奮発した京都グランヴィアホテル(京都駅ビル)  レストラン「ルタン」ブッフェディナーが5時30分でしか予約できなかったためでした。オリンピアにしてもルタンにしても高い値段なのに満席でいよいよ世の中の景気が良くなっているのかも知れません。


京都駅は午後4時過ぎに到着、これから二泊 ダイワロイネットホテル京都八条プレミア(駅八条口すぐそば)で過ごします。

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ダイワロイネットホテル京都八条プレミア     ツイン2泊朝食付会員価格56000円弱(オフシーズンはもっとリーズナブル)
京都駅周辺はホテル供給過剰気味で宿泊料は、まだ急騰はしていません

 

第三日12月2日(月)六波羅蜜寺

いよいよ今回関西旅行のハイライト 六波羅蜜寺 秘仏ご本尊参拝です。

 

補陀落山普門院  六波羅蜜寺  (京都市東山区轆轤町81)  真言宗智山派  創建951年  開基 空也 

 

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「ふだらくさん ふもんいん ろくはらみつじ」です。古代 六原の名の地域は、葬送の地 鳥辺野(とりべの)の入口にあたり多くの遺体が捨てられた土地であったといいます。天台僧 空也(903~972)は彷徨う御霊を弔うため十一面観音像を自ら彫りこの地に祀り西光寺という寺院を開きました。西光寺は後に天台僧 中信が中興し六波羅蜜寺の名に変えました。空也は市中に踊念仏を広め南無阿弥陀仏を唱えて市聖(いちのひじり)と称され崇敬を集めます。十一面観音像は高さ258㎝ 一木造で平安中期10世紀の作風を備え伝承の初代本尊であるとされて、秘仏として辰年のみご開帳されています。観音は生命存続に欠かせぬ水を司り辰(龍)は水を象徴し眷属(けんぞく)として観音を守護するとされるのです。

十一面観音像の写真はネットでも見つかりませんし寺でもポートレートなど手に入りませんでした。本堂の外陣から厨子の中に安置されたご本尊を参拝します。公開期間中に限っているのでしょうが宝物館(「令和館」)入口にA4程度の写真が飾られていて全身を見ることができます。どっしりとした大柄な躯体、大きめのお顔は角張り四角形に近い力強い彫りです。体全体に金箔が多く残って保存状態が良く、たくましさを感じる仏さまでした。

国宝十一面観音像は全国で7体に限られています。
    滋賀県長浜市 向源寺、京都府京田辺市 観音寺、奈良県宇陀市 室生寺、奈良県桜井市 聖林寺、奈良県奈良市 法華寺、大阪府藤井寺市 道明寺とこの六波羅蜜寺です。
そのうち法華寺は1年に2回春秋に特別公開、道明寺は毎月18日には公開していますが六波羅蜜寺は12年に一度1か月程度なのでこの機会を逃すともはや参拝することかなわないので今回来訪したのです。これで7体すべて参拝させて頂きました。そのうち聖林寺十一面観音を明治時代フェノロサが絶賛し、現代でも複数の美術評論家が日本美術史上最高傑作と評価しています。しかしいずれの7体も気品に満ちていて信仰の対象として等しくありがたく、また美術品としても優劣はつけがたいところでありましょう。

今や本堂だけのこじんまりした境内ですが、多くの優れた仏像が残され令和館に収蔵、展示されています。運慶四男 康勝 作の空也上人像、運慶(1150~1223) 作の地蔵菩薩坐像、運慶長男 湛慶(1173~1256)作の運慶肖像坐像など重要文化財が目白押しです。鎌倉写実像が並ぶ展示室内部はやや硬い緊張感が漂っています。

 

 

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南無阿弥陀仏と念じ衆生救済を説いた市聖 空也上人像   六波羅蜜寺を象徴する彫像です

 

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鎌倉慶派の最高仏師 運慶の手になる地蔵菩薩坐像

 

ここで六波羅蜜寺を出て空也上人の葬られた廟がある西光寺(創建の寺と同名ですが当初寺院跡ではありません)を探すことにしました。上人御廟の西光寺の所在を尋ねると令和館スタッフのお一人は「御廟はここにはない」というだけ、もうお一人は清水坂の方にある、と言うものの正確ではないとのことでした。六波羅蜜寺におられるスタッフ(僧侶ではありません)が、上人御廟を知らないのはありえないでしょうから?! マップなしでは伝えにくかっただけなのかも知れません。探しあてた御廟は清水道途中にある 浄土宗 西光寺(京都市東山区清水4)の境内 時間駐車場の傍らにあります。この西光寺はまだ宗教法人として存在しているようですが庫裏もしくは本堂は、入れない柵の奥にあり御廟だけ参拝自由のまま外側にひっそりありました。ただ周囲は清掃されているので綺麗に管理されているのでしょう。合掌参拝しました。

 

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空也上人 御廟   広い時間駐車場の一角にあります


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多くの観光客、車の行きかう清水道に面した西光寺さん  寺院としての実体があるのかどうか分かりません

 

西光寺往訪の前後、冥界とこの世を行き来した小野篁(おののたかむら)の伝説で有名な六道珍皇寺、縁切りで有名な安井金毘羅宮に立寄り嵐山に向かい福田美術館の伊藤若冲展を見て一日を終えました。夕食は伊勢丹京都駅にある松山閣(しょうざんかく)で湯葉懐石(これは美味かった)、15000歩を越えて歩き回り痛みが足裏に出たものの心地よい疲れでした。

 

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六波羅蜜寺近くにある大椿山六道珍皇寺(臨済宗、創建9世紀)
公卿 小野篁(おののたかむら、802~853)が夜な夜な冥界入口の井戸に入り現世と行き来したと伝わります

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本堂の庭奥にある冥界往来井戸の写真   そばには行けず 格子戸からのぞき見します

 

241202105428522安井金毘羅宮(東山区東大路松原上ル下弁天町、創建13世紀)通称「縁切り神社」

 

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元来「縁切り神社」なのに、転じて悪縁切り良縁結びの願い処として若い女性に大人気 
写真はその名も「縁切り縁結び碑」 願掛け札を貼って穴をくぐる女性で連日順番待ち大行列

 

最終日 12月3日(火)金戒光明寺

最終日の午前中は紅葉の名所と謳われ特別日中拝観中のくろ谷金戒光明寺を参拝することにしました。通称くろ谷さんで知られる金戒光明寺は幕末会津藩 松平容保が京都守護の陣としここで新選組を組織、支配下においたことで有名です。

紫雲山 金戒光明寺  京都市左京区黒谷町  浄土宗大本山  創建 12世紀 開基 法然 

「しうんざん こんかいこうみょうじ」  法然が比叡山から下山しこの地を念仏道場として草庵を結んだのが始まりとされます。知恩院とならぶ格式。堂宇は昭和の再建で登録有形文化財どまり、三重塔、通称 吉備観音 木造千手観音 (奈良時代、吉備真備が中国から持ち帰った霊木に行基が刻んだと伝えられます、旧廃寺吉田寺の本尊) など重要文化財があります。特別拝観で本堂(御影堂)、大方丈の内部拝観が許されていました。これまた紅葉の名所 真正極楽寺(真如堂)へ行く道すがらにありますが、これまで参拝したことがなかったので今日はゆっくり境内を散策させて頂きました。境内は広く、墓地に足を踏み入れ人気者 石造 五劫思惟阿弥陀仏(ごこうしゆいあみだぶつ、江戸中期)を参拝して、祇園に戻りいつもの甘泉堂栗蒸し羊羹土産、眼疫み地蔵仲源寺参拝、レストラン菊水で昼食をとって帰路に着きました。

241203095129560大きな山門  特別公開期間中は有料で登楼できます

 

241203095733515本堂(御影堂) 昭和の再建です

241203103152259御影堂に連なる大方丈の浄土回遊庭園   散策できます

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無限に等しい長い年月衆生救済を念じ髪が伸び放題アフロへアになっておられる仏さま、 五劫思惟阿弥陀仏

2024年10月29日 (火)

残念 ! 京都殿田食堂の閉店

ショッキングなニュース。長年お世話になった京都駅八条口近く南区、室町通東寺道交差で営業していた大衆食堂「殿田」が10月27日閉店になったと話題になっています。(https://www.excite.co.jp/news/article/Kyotopi_712a51db04040e173263ca36ec9326e8a9189b1f/)

 

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在りし日の殿田


柔らかな京うどんや、丼物をリーズナブルな価格で提供してくれて、口コミでインバウンドの観光客も訪れてここ数年は昼の営業開始早々店前に行列ができるほどでした。ご高齢の女将さん、フロア係のおっちゃんでは繁忙時にはさばき切れず、最近は数人の手伝いの方々が切り盛りしていました。行くたびに行列に並ぶのが玉にキズではあったものの、やさしく上品な出汁がきいた肉うどんと小粒の甘い稲荷ずしの大ファンで京都に旅行中は一度は訪れていました。小腹がすいた時に気取らずに暖簾をくぐって入れる店で多くのファンが嘆いているでしょうし、私も大変残念です。

2024年7月21日 (日)

肘折温泉逗留記

7月15日から20日まで山形県肘折温泉に一人逗留してきました。

山形県最上郡大蔵村肘折温泉は東京駅から山形新幹線で3時間30分の終着 新庄駅から大蔵村村営バスで50分。「肘折カルデラ」と呼ばれる、太古の昔火山崩壊でできたカルデラ盆地の中標高300mの山あいにあります。家族経営の小規模旅館を中心に20軒の宿がある静かな温泉地です。

 

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JR新庄駅  人口34000人ほどの中堅都市です

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大蔵村村営バス 新庄駅と肘折温泉を50分で結びます 片道600円

1.肘折の宿

   今回宿泊したのは温泉街の一番のはずれ(といってもメイン旅館街は400mほどしかありません)にある木村屋旅館です。中年のご夫婦と手伝いの仲居さん一人、全5室の至って静かな旅館でした。肘折温泉を3年前に訪れ、再訪したくなり今回は昔ながらの湯治スタイルの宿を選択しました。インターネットの滞在記事や好評口コミで選んだ宿ですが、親切なご夫婦と美味しい食事で人気のあるお店で宿泊予約は5か月前にやっととることができました。滞在中ほぼ満室で常連さんのリピーターが多いようです。5室だけのお宿なのに、2階大浴場(5~6人ぐらいは入れます。暖簾をかえて男女別専用になります)、1階男女交替小浴場、鍵をかけて自由に利用できる貸切風呂(小浴場、貸切風呂は2~3名用)の3つがあるのいつでも入浴が可能でした。トイレ、洗面台は共用。トイレへは5~10歩の2か所、ウォシュレットです。
  湯治朝夕少量食コース、連泊割引で1泊6000円弱、浴衣レンタル1日250円、バスタオルは無料でした。希望すれば昼食を500円で提供してくれます。私以外の宿泊客は宿の昼食も食べて外出も控え日がな湯治を楽しんでいたようです。

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木村屋旅館さん  2階が客室  中は広くてしっかりした造作でした

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2階展望浴場入口 洗面台の近くにコインランドリーが設置されています


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2階の展望浴場 一日おきにご亭主が湯を入れ替え、掃除をしていて清潔でした
肘折の湯治宿はどこも大浴場が立派で温泉のありがたさが実感できます
24時間入浴可、かけ流し 加温なし 熱めなので好みにより加水を可としていました

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インスタント・コーヒー、紅茶、日本茶はサービス   私ひとりコーヒーをガブガブ飲んでいました

 

  
食事は家庭料理ですが地元の米、味噌汁が大変美味しい、女将さんの心づくしの主菜も美味しくて毎日楽しみでした。実は宿泊にあたって胃全摘で「いか、たこ、貝類、ラーメン、スパゲッティなど硬い麺類は避けてほしい。また繊維質の硬めの山菜は控えめにしてください」と事前メールでお願いしていたら、バス停に出迎えてくれたご亭主から女将さんがどうしたものか?と悩んでいるんだよ、と言われてしまいました。肘折の名物の一つは豊富な山菜なのですからその苦情も当然です。柔らかめにしてくれれば大丈夫、適当により分けて食べるので食べ残ししてもご勘弁ください、と言い訳をしてお許しいただきました。親切な女将さんは困った末に一皿、二皿高い素材を出してくれ結果的に0.5ランク上の食事にしてもらったようで、帰り際にはよーくお礼をいうことになりました。

240720075306068_20240725222401ある日の晩御飯    部屋食です     少量湯治メニューなので朝か夜か分からん

 

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朝食  とにかく山形米と味噌汁が美味しい

肘折温泉の湯は少し緑がかったナトリウム塩化物炭酸水素塩泉(重曹を含みます)で中性、湯口で43~44度ぐらいの熱めの湯です。共同源泉を引いているのでどの旅館も泉質はほぼ同じ、共同浴場「上の湯」だけ透明に近いさっぱりした湯質でそのため『冷えの湯』とも呼ばれます。有馬や箱根、熱海などの大温泉街とは趣が異なる昔ながらの長期滞在、湯治スタイルを維持している旅館が多く、高級な部屋、料理を売りにした温泉旅館は3、4軒だけ、静かな懐かしい雰囲気の温泉町です。

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共同浴場「上の湯」男湯 

 

2.日帰り温泉施設

温泉街の中に立派な共同浴場「上の湯」があり宿泊客には10時から17時まで100円(木村屋さんではその100円を負担してくれ無料)で開放されています。一度正午過ぎに入浴しましたが30分間一人でした。夕刻には子供たちの賑やかな声が響いていたので、地区住民は10時前や17時以降に利用されていると思います。風呂場にはカランやシャワーはなく入浴セットを持参して湯舟のお湯で体を流す湯治場スタイルです。湯舟は15人ほど入れる大きさでゆったりしています。

「上の湯」の外におそらく村営か第三セクター運営の日帰り施設「ひじおり いで湯館」「カルデラ温泉館」の二つがあります(いずれも宿泊客450円)。いで湯館は温泉街すぐそばにありますが、もう一つのカルデラ温泉館は徒歩20分の里山の中。黄金温泉金生館と言う一軒宿のそばにあり、これもまた風情のある名湯ですが、まばらにある民家(多くはすでに廃屋)、『熊出没注意!』の看板のある誰もいない道を歩いていくのは緊張してしまいます。もっとも、肘折住民に聞くと、肘折は山の幸が豊富で熊は山に入る人間に餌をとられるとは思っていない、人間を見るとすぐに隠れて襲ってこない、庭先に熊の好物の柿や果物を植えている民家はほとんどないので近寄って来ない、と言う人ばかりでしたがとても楽観できるような雰囲気ではありませんでした。いで湯館には食堂がありますがカルデラ館は有料休憩室があるだけでした。ただ、カルデラ館の湯も愛好者が多いようで駐車場には立ち寄りの自家用車が結構並んでいました。

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ひじおり いで湯館   3階建て、地方にありがちな豪壮な箱物施設 。   昼前に入館して大浴場には3人だけ 
おかげさまでゆっくり名湯、寝湯を楽しめました

 

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入浴後 いで湯館食堂で昼食にありつけました 軽く 豚角煮入り粽(ちまき)と餃子   思いのほか美味しかった

 

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肘折から徒歩20分にある山あいの日帰り入浴施設 カルデラ温泉館
良質のお湯でファンが多いと思いますが徒歩で行くには熊の心配

 

コロナ禍襲来の前は肘折地区の温泉旅館立ち寄りを巡る割引券があったぐらい、街を上げて湯めぐりを歓迎していたようですが、ほとんどの旅館は日帰り立寄りを止めているようでした。逗留した木村屋さんや前回宿泊した丸屋旅館以外も入浴したくて大手の大穀屋や大友旅館を尋ねましたが入れませんでした。

 

3.ランチ難民

肘折で最も難題は昼食です。町はずれ銅山川沿いに立派な日本そば屋「寿屋」という名店があります。腰のある手打ちの太麺のそばに特色があり、そばに加えて「肘折豆腐」ざぶとんという愛称の「揚げ」があって人気なのですが、あいにくそばは硬くて噛み切れず、胃切除者にはなかなか難敵、メニューに丼物はありません。ゆっくり時間をかけて温かい汁そば(月見)と豆腐を食べましたが、量も多く食べ切れずに残さざるを得ませんでした。もちろん、胃腸に問題ない方は十分に満喫できると思います。

 

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銅山川たもとの人気そばや「寿屋」 肘折唯一のそば
いつ行ってもお客さんがいます

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この日は月見そば+肘折豆腐 でした カルデラ館へ乗り込む前の腹ごしらえ

 

 

 寿屋の外には、昼にうどん、ラーメンなどを出してくれる居酒屋が一軒あるだけで、名物のつきたて餅を出していた2軒の店は休業していました。道理で昼食を提供する湯治宿が重宝されるわけです。日常生活の食品が並べられている土産物屋が3店ほど、即席めんや数少ない菓子パンがある切りでした。住民の方々の日常の買い物をどうしているのか、まったく分かりませんでした。自家用車で遠方まで買い出すことになるのでしょう。畢竟、いで湯館に昼食取りがてら日帰り入浴をすることになります。滞在中、昼食はそば屋、居酒屋、いで湯館、菓子パン+牛乳などになり木村屋さんで昼食を頼みませんでした。毎日町を歩き回り外出していたためです。ランチではありませんが、肘折一の温泉饅頭「ほていまんじゅう」(ほてい屋)は1ケ110円の小粒のこしあん饅頭でこれがめっぽう美味しい。こしあんの甘さ控えめで2つ、3つはすぐ食べられてしまいます。前回もそう思いましたが、今回確信しました。ほていまんじゅうは、日本で一二を争う温泉饅頭です。毎日2ケづつおやつに買い求め、帰宅時土産には10ケ入り(1100円)を持ちかえりました。

 

 

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温泉街の中ほどにある「ほていや」さん    毎日通いました

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宿で毎日のおやつ 木村屋さん提供のコーヒーとほていやで毎日買ったまんじゅう

 

240720160017749210ケ入り1100円  美味いです

 

 

4.肘折名物

 

2407200639067566:30頃の朝市  この時間帯では人も減り品物も売切れていきます

 

毎日5:30に開かれる朝市です。狭い通りに村営バスが始動する7:30まで10店ほど近くの農家のおばさんたちが俄か商店を開業します。取り立て野菜の他、名物の紫蘇、粽(ちまき)などが並びます。最後の朝、6時過ぎまで激しく雨が降っていて朝市は残念ながら休みかと思いましたが、その時間に青空が見え始めたので駄目許で覗きにいくことにしました。すると宿泊客がぞろぞろ朝市方面から戻って来ます。バス通りを眺めるとテントを張った朝市の店がちゃんと立っていました。さっそく一軒、大蔵村名産のトマトを売るおばさんを発見し、4個350円で真っ赤な大粒のトマトを自宅用に買い求めました。大蔵村近郊農家のトマトづくりは有名で、モスバーガーチェーンのハンバーガーに挟むトマトは全量大蔵村産だそうです。前回朝市で買ったトマトが甘くてかみさんのリクエストでありました。朝市に立つ5:30は通りの土産物店の開店時間でもあります。ほていやではこの時間に毎日饅頭をつくり始めていて、帰路のバスに乗る9:50を店の女将さんに告げ、木村屋旅館 栃の間(とちのま)滞在と尋ねられるまま答えたら、9時前に部屋まで10ケ箱入りを届けてくれてびっくりしました。狭い温泉街のこと、ほていやから木村屋さんまで徒歩2~3分ぐらいなのですがこれもまた古い湯治場ならではのサービスです。

240720155736889朝市で買った大蔵村名産トマト  粒が大きく甘いけど、苦手な種も一杯 、  自然のものですから

 

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だが肘折名物はなんといっても昔から刀傷や打撲、捻挫、神経痛によく効くという塩化物温泉です。滞在中なんども入浴を繰り返し町の中を歩き回り、ほていまんじゅうを食べ、宿の心づくしの家庭料理を食べてリラックスしました。そのおかげで足底の痛みを意識することなくのんびり過ごせました。東京が35℃を越える猛暑のさなか、肘折温泉は日中25~27℃、夜は涼しく冷え込むぐらいです。宿にはエアコンが完備していましたが使用せずに過ごせました。ご多聞に漏れず人気のある湯治場の肘折でもだんだん高齢化や湯治客の減少で寂しくなってきています。唯一あったカフェもなくなり、廃業の宿も少ないものの出始めていて、情緒あふれるこの温泉街が廃れていく心配を感じます。トイレのない湯治スタイルや山菜尽くしをかみさんが敬遠するので、夫婦で再来することはないでしょうが、またいつか逗留したいと後ろ髪を引かれつつ肘折をあとにしました。

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