古代豪族論
放送大学の面接授業「日本古代の王権と豪族」の第1日に出席しました。今日は第2講まで10時から13時05分までですが、久しぶりに午前8時30分ごろの通勤電車に乗車して文京学習センターまで出かけます。9時40分ごろに教室について、びっくり。16ある机はすでに受講生で一杯、平均年齢70歳一歩手前の男性が8割ぐらいです。講師は 加藤 謙吉 成城大学および中央大学講師で、通る声で、機関銃のように早口で、休むことなくしゃべり続ける先生です。講義の内容は、古代の氏姓制度や、蘇我、物部、大伴、中臣などの豪族の起源や、古代の政治体制。我々が中高時代に学校で習った通説と異なった、新しい学説の話が大半ですが、専門的な内容で、おそらく放送大学で今までうけたどの授業よりもアカデミック。文学部史学科あたりだとしても、かなり専門的に特化した講義内容で面白いことは間違いない。 ただし、狭い講義室に40人以上鈴なり状態で、ややゲンナリ。講師の著作の参考文献「大和の豪族と渡来人」(吉川弘文館)を図書館で借り出して読んで受講に替えるつもりです(もちろん、単位は得られませんし、受講料5500円はパーです)。
放送大学の終了後、東京駅丸の内に行き、かみさんと合流。駅前の新丸ビル(丸の内1-5-1) 5階 「手打ちそば 石月」で昼食をとりました。このそば屋、若いご夫婦で切り盛りしている、小ぶりな店。そばは角がたっていない、柔らかな触感で人により好みがあろうかと思いますが、つけ蕎麦などのだし汁の風味がよく、我々は「親子つけ汁」「かぶ葱つけ汁」を食べましたが、やさしい味で絶品でした。食後は、三菱一号館美術館(丸の内2-6-2)で開催中の「プラド美術館展」(~1月31日)を鑑賞。グレコ、ルーベンス、ブリューゲル、ゴヤなど100点あまりのルネサンス期のヨーロッパの油絵が供されています。この美術館は明治文明開化期の西洋館を改装したもので、大変歴史的価値がある建築物ですが、各部屋とも小さく、階段を使用しなくては回遊できないので、お年寄りやハンディキャップの方は大変です。私はあまりこの建物は好きではありません。来日した絵画はいずれも小さめのキャンバスで、聖書の世界をテーマにしたものが多かったのですが、緻密、精緻で光の陰影が美しい優れた作品ばかりでした。西洋宗教画の趣味を持つ方には必見の展覧会でしょう。
都内の紅葉、黄葉は色づきが遅かっただけ、今頃になっても落葉せず、樹々に残ったままになっているようです。大概がスカスカな寒々しいありさまですが、丸の内界隈はいくつか、きれいな銀杏が残っていました。